人生初の告白をしたゆーみん。無事隼人とカップルになって日本へ帰国/初代あいのり第214話のネタバレ
初代あいのり213話では、浅ちゃんがゆーみんに告白をした回でした。
214話はスペシャル版で、題名は「事実は小説やドラマより・・・スゴかった!スペシャル」でフジテレビでのオンエア日は2004年4月1日。
浅ちゃんの告白を受けたゆーみんが出した答えとは!?
地上最後の楽園マダガスカルの大地に、朝日が昇る・・・伝説のバオバブの木が、静かに太陽を迎える。
それは何億年にも渡る悠久の時の中の変わることのない朝の始まり。
しかし、ただ一つ違うのは、この伝説の木の下で一人の男が、ある結論の時を迎える事。
その時、ゆーみんがやってきた。
マダガスカルの大地は浅ちゃんにどんな運命を用意しているのか?
浅ちゃん「おはよう」
ゆーみん「おはよう」
浅ちゃん「寝れた?全然?俺も」
ゆーみん「そやな」
浅ちゃん「昨日さ、いきなりバババって喋ってゴメンな。そやけど、昨日言った事に間違いないと思うし、俺はゆーみんと一緒に日本に帰りたいと思う。返事聞かせてくれるか?」
10の国境を越え2度の病に倒れながら苦難の旅を続けた男がついにたどりついた真実の愛。7万キロの旅の果てに出すその答えとは!?
ゆーみん「色々考えたら、私の中にも浅ちゃんの存在が大きかったなってすごい思ってんか。私が元気ない時とか本当にケン玉とか何か、ちょっとしたくだらへんような話とかでも良く考えたらすごい嬉しかった。
私はずっと自分の事が人にとって好かれるような女の子ではないっていうふうに思ってんねんか。でも浅ちゃん昨日、ウチの事を好きや言うてくれて私もそういうふうに人の目に映ったりするんやって思って。ほんまに嬉しかった。有難う」
浅ちゃん「うん、自信もてよ。あんたの魅力やから」
ゆーみん「有難う」
浅ちゃん「ううん」
ゆーみん「で、一晩ちゃんと考えた。
浅ちゃんは私が他に好きな人いる事をずっと知ってたと思うねんな。ひょっとしてすごい辛かったんじゃないかなとかも考えた。
でもこうやって、病気になってまでやっぱり私に告白してくれたやんか。それってすごい事やと思うし。
それと同じで、私もその好きな人には好かれてるとは思えへんし、でも私も浅ちゃんと一緒で、やっぱりここまで来た以上は自分の言いたい事言ってぶつかって帰らんと私も悔いが残る。だから、浅ちゃんとは、帰れません・・・ホンマに一緒に旅出来てよかったと思った。有難う」
浅ちゃん「俺もすげえ楽しかった。頑張れよ、まだまだ。あんた強いねんからさ。もっと自信持って行き!ゆーみん好きになれてマジで良かったって思ってるし」
ゆーみん「ありがとう」
浅ちゃん「大丈夫」
ゆーみん「じゃあ」
浅ちゃん「おう」
浅ちゃんとの別れ
別れの時。
浅ちゃん「美紀・・・アホ!何ちゅう顔してんねん、お前。色々大変な事あるやろうと思うけどさ。美紀の笑顔ってすげえ魅力的だから、オールウエイズ笑顔」
美紀「有難う」
浅ちゃん「カジ」
カジ「楽しかった」
浅ちゃん「自分信じて最後までやってくれよ。汚ないねん顔!」
カジ「ハハハ」
浅ちゃん「色々、皆引っ張ってってやってな。幸栄やったら絶対出来ると思うし」
隼人「一番カッコよかったよ。今までで1番かっこよかったよ」
浅ちゃん「隼人、ありがとう」
隼人「おぅ」
浅ちゃん「ゆーみん、好きになって良かった。惚れたよ。ゆーみんやったら出来る。頑張れ!」
ゆーみん「有難う」
浅ちゃん「頑張れよマジで!」
メンバー「バイバーイ!」
車がエンスト
「止まったー」
浅ちゃん「おーい!おっしゃ」
メンバー「バイバーイ!」
浅ちゃん「皆元気でやれよ!」
こうして、1年に及ぶ浅ちゃんの長い長い旅は終わった
浅ちゃん“色んな国まわって、世界のデカさを知った。帰ったらお金貯めて英語の勉強して、ゆくゆくは観光の職に就きたいと思います。日本を外国の人たちに紹介できたらええなあ。特に京都は外国からの観光客が多いから自分のコトバで相手に伝えたらサイコーやしね。旅は終わったけどオレの人生はまだまだや”
南アフリカへ入国したあいのりメンバー
翌日。
ラブワゴンがやってきたのは空港。
長かったマダガスカルの旅もここでおしまい
「ありがとう!」
「メルシー。」
メンバーはマダガスカルから飛行機に乗り込み、次の国を目指す。
飛ぶこと3時間。遂にアフリカ大陸に突入!あいのり47カ国目は南アフリカ。
アフリカ大陸の最南端に位置し、多くの白人が暮らすこの国は、アフリカ一の経済力を誇る。
その洗練された優雅な街並みから『アフリカ大陸のヨーロッパ』と呼ばれている。
新たな国に到着した6人。すると
「あったー」
「あったー!」
「あったー!」
ラブワゴン発見!
ドライバー「ハーイ、初メマシテ。」
メンバー「初めましてー!」
南アフリカのドライバーはドミニクさん。
普段は観光ガイドをしている36歳。
ゆーみん「えぇと、ゆーみん。」
ドミニクさん「ユーミン。♪Youdon’thaveto」
ゆーみん「全く関係無いし」
メンバー「陽気だね。」
実はドミニクさん、日本に6年間留学し、英語の講師をしていたため、日本語はペラペラ
カジ「カジです。」
ドミニクさん「カワイイデスネ」
カジ「かわいいって言われた」
ゆーみん「カジ独身か聞くねや」
カジ「あ、そうだ。独身ですか?」
ドミニクさん「ソウデス」
ハオロン「もしかして!?ありえるね。」
しかし!この軽い冗談がやがて現実のものとなろうとは・・・
旅の資金は一人一日3000円。これは南アフリカでの貧乏旅行ぎりぎりの額。
旅のルートは広大な大地を北上していくことに。
こうして新たな国、南アフリカの旅がスタートした。
そして走ること30分
隼人「すげぇすげぇ!うわぁ!」
幸栄「すげぇキレイだね!」
ハオロン「大都市じゃん!」
美紀「いーなー!」
喜望峰をはじめとした大自然と、洗練された都会が調和するケープタウンは、観光客に最も人気がある街。
南アフリカへの白人移住が始まった地で、現在も多くの白人たちが暮らしている
ゆーみん「アフリカってこんな進んでるんや。」
メンバー「海だ。」
隼人「生きてて良かったよぉ!最高!ど~すんのよ、おい。」
街のすぐ近くのビーチへ。
夕暮れの白い砂浜は恋人たちのデートコース
美紀「すーごい。」
カジ「そりゃあこんなとこにいたらラブラブにもなっちゃいますよねぇ。」
美紀「ねー。」
恋人達の時間を惜しむようにゆっくりと沈みゆく夕陽。
新たな国、南アフリカ最初の1日が静かに暮れようとしていた。
そしてこの時、ゆーみんは思い出していた。浅ちゃんとのあの誓いを
ゆーみん「自分の言いたいこと言ってぶつかって帰らんと私も悔いが残る」
ゆーみんが告白を決意
告白その夜。
スタッフの部屋にやってきたのはゆーみん
ゆーみん「ふぅ・・・ふぅ~ん・・・ね。」
スタッフ「・・・何、ねぇって何?」
ゆーみん「いやぁ何かあっという間だったというか、ねぇ・・・あっという間でした」
そしてゆーみんはいきなり
ゆーみん「明日告白して、これでもうみんなとはお別れやとか思ってるんで。」
スタッフ「えっ?明日?」
ゆーみん「うん。」
南アフリカ入国初日!隼人への告白を決意したゆーみん!
アフリカ大陸の旅は、いきなりクライマックスを迎える!
ゆーみんが隼人へ告白
そして、その日はやってきた。
ゆーみん、隼人への告白の日。
ケープタウンの中心部を歩くメンバー。
しかし、ゆーみんの決意を誰も知らない。
カジ「ホント街がキレイだ」
隼人「いいねー音楽!」
鳴り響く音楽に美しい街並み。まるでヨーロッパにいるかのような錯覚を起こさせる街、南アフリカケープタウン。
この日の昼食はお洒落なオープンカフェ
カジ「わあ、おいしそう!」
隼人「うまそう」
これは南アフリカの伝統料理「ボボティー」
牛ひき肉に干しぶどう、カレー粉、オレンジのジャムをたっぷりと加え、オーブンでじっくり焼き上げるこの料理。カレー風味のミートローフのようなもの
幸栄「あーうまいかもしんねー、これ!」
カジ「おいしい、ドミニク。」
いつもと何一つ変わらないメンバーとの何気ないひと時。
しかし、ゆーみんにとっては、この旅で許された残り少ない時間。
隼人「はい、いきました!いきました!飲んだ!飲んだ!飲んだ!ゆーみんが飲んだ!飲みました!」
そして昼食後。
6人がやってきたのはテーブルマウンテン。
山頂がテーブルのように平らになっているところから名づけられた、ケープタウンのシンボルだ
カジ「うわーうわーヤバイよー!」
美紀「すっごーい!」
目の前には真っ青な大西洋、そして自然と調和したケープタウンの美しい街並みが。
そんな景色に目を奪われる隼人、ゆーみん、カジ。
すると
カジ「よいしょぉ!」
カジがその場を離れ、寿司屋の隼人とゆーみんが2人きりに。
カジ「(隼人とゆーみん)いい感じになってるよね?」
幸栄「うん、思う、思う。」
カジ「だよね。お邪魔かなと思って。えへへへ。」
隼人「おっ、鷲!」
ゆーみん「凄い。風に乗ってるんやわ、いいな」
隼人「見るものすべてがすごい」
隼人と2人っきりで見つめる南アフリカの美しい風景。
幸せな時が流れる中、告白を決意したはずのゆーみんの心に迷いが生まれ始めていた
ゆーみん“ここにいたら隼人が何してるとかいうのが見れて、で一緒にいれるし。それだけでもやっぱ私は十分嬉しいし。告白しちゃったらやっぱりもうそれっきり会うこともなくなるわけだし”
一方、隼人は
隼人“(ゆーみんは)めちゃめちゃピュアっすよホントに、純粋ですよ”
離婚歴、そして4歳の息子を持つ隼人。そんな自分に恋愛未経験のゆーみんが想いを寄せていることに隼人はハッキリと気づいていた
隼人“俺ッスよ、ヨゴレっすよ。はっきり言うと。(ゆーみんは)いい子なんすけどね。恋愛のほうは・・・どうしても出来ないっすね”
同じ景色に包まれながら、決して交わることのない2人の想い
隼人「あれだよね?」
ゆーみん「うん。どれ?」
隼人「・・・」
ゆーみん「ハオロンはどうしてんの?男の子とはうまくやってんの?」
隼人「うん。うまぐやっでだよ」
ゆーみん「ホンマに?」
こうして、時だけが無情にも過ぎていった・・・。
告白を前になかなか勇気が出ないゆーみん
その夜のホテル。
ゆーみんはひとり考えていた。
告白したらもう隼人とは会えない。
しかし、ゆーみんが動いた。部屋に戻り、荷物をまとめ始めた
ゆーみん“落ちついて考えてみればやることはやったような気がするし。じゃあもうこれは行くしかないのかなぁと思って”
そして
ゆーみん「あんな、美紀とカジちょっとかまへん?来てもらって。んと、色々ちょっと渡しときたいものがあって」
この言葉でカジはすべてを察した
カジ「遂に、(告白に)行く・・・のね?」
ゆーみん「うん。これから行ってきます」
カジ「ありがとうゆーみん。ホント悲しくて泣いちゃいそう」
美紀「ホントにありがとう。願ってる」
カジ「スゴイと思ってたから。動いてるのをさ、見てるから」
ゆーみん「こんなんうちが言うなって分かってるよって思われるかもしれんけど、やっぱここで恋愛したら楽しいし恋愛してね」
カジ「わかってるよ」
ゆーみん「と思うけど」
ゆーみんがチケットをもらい、隼人を呼び出す
そして
ゆーみん「あの、チケットを頂きたいんです。はい、隼人に告白します」
ドミニクさん「頑張ッテクダサイ」
ゆーみん「ありがとうございます」
それは1年前、春の訪れを待つ桜が、まだつぼみの頃だった。
ゆーみん「京都から来ました中川祐美です。人と喋るとかいうのが凄く苦手でして。周囲からちょっと変わったやつとかあの子ちょっと暗いんじゃないのとかいう風な目で見られてしまって21年間ずっと彼氏も男友達って言えるような人の存在すらもないっていう。まぁまぁこんなんなっちゃいまして、で・・・。何かきっかけを自分で作って変えなこれはもうこのままじゃ変わらないと思ってそれでこのあいのりに志望しました。絶対自分で告白をして帰って来たいというのが自分の目標なんです」
ゆーみん“まず、いかにして男の子の中でいっつも一緒にいるっていう状態に慣れるかっていうのが私にとって大変だったんで・・・。慰めたりとかね、されても全然何も思わなかったりすると思うんですけど笑われただけだったんでそれがすごい嬉しかったんですよね。お酒飲んだら気が大きくなるらしくて腕を勝手に組ませてもらったし。だって向こうから誘ってもらうことなんて無かったもん一回も。今の隼人が好きやしそれでいいんじゃないかなって思う、別に”
決して届くはずのない想いを胸にゆーみんの生まれて初めての告白が今始まろうとしていた・・・。
その夜。
静まり返った南アフリカ・ケープタウンの港で一人隼人を待つゆーみん
ゆーみん「あーイライラする、はぁ。ダメだ、多分テンパってんだ、これ。ふぅん・・・ふぅ・・・何言うかもちゃんと考えてきてないし・・・ふぅ、はぁ・・・」
生まれて初めての告白で一杯一杯のゆーみん。
AD「隼人もう来ちゃいますよ」
小牧ディレクター「ゆーみん、ちょっといい?」
たまらず現場の小牧ディレクターが声をかけた
小牧ディレクター「大丈夫?ゆーみん」
ゆーみん「何かあれなんですよね。告白するとか言って私、何言ったら告白になるんかとかわかんないんですよね。
ホンマに好きやったら100%がどうこうとか本気で私の事振り向かせたいとか思うのかなとかちょっと考えたんですけど。私が好きなのは多分そういうふうに好きなんじゃないんですよね。その好きっていうのをまとめるのが、今てんでバラバラになっちゃってるんですけど」
小牧ディレクター「だからさ、初めて人を好きになって初めて告白するわけだからさ。何も分からなくて当然だし。何が正しくて何がいけないとかなんてある訳じゃないからさ」
ゆーみん「はぁ・・・あ、すいません。」
小牧ディレクター「大丈夫。大丈夫。」
ゆーみん「はい。」
そして・・・隼人が現れた!
今から告白されるとは思っていない隼人はパジャマ姿
隼人「スゲーよこれ、景色。何だよ!」
ゆーみん「パジャマ着てる」
隼人「びっくりしちゃったよ」
ゆーみん「人が緊張してきてんのにパジャマだよ、この人。あー損した。しかも変な声がする。なんなんここ?」
オットセイの群れが。
隼人「バルタン星人だ」
ゆーみん「ふー。やっばい。何言いにきたん?私」
隼人「わかんねぇ」
ゆーみん「なんなん?はー。この状況で分かると思うけど告白します」
隼人「はいー?」
ゆーみん「はー。なんなんやもう。なんだかんだ言ってもうちら5ヵ国ずっと一緒にいるやんか?見てて分かると思うけど自分に自信とか無かったよね。
で、そういうことの原因が私が人に何か嫌われるようなもんとかあるからちゃうっていう話とかしてたのって覚えてる?ワゴンの中やったけどな。
で、その時にめちゃ普通にアホだずとか言ってめちゃ笑われてまさか笑い飛ばされるとか思ってなくて、でもそういうふうに普通にアホだずっていって笑ってもらったからそんな大したことでもないかとか結構、あっそうなんやとか普通に思えて。
で、それから半分以上、多分もうその時点で好きやったと思うねんけど。
でもスリランカに行った時に離婚の話を聞いたからみんなが、言ってくれて良かったし、その言ってくれたことで隼人との距離が縮まったよって言ってたけど、私は正直それだけ隼人が好きやって思ったからやっぱりビックリしたし皆みたいに単純に言ってくれて良かったっていう風にはちょっと思えへん部分があってんな。
やっぱりその事で隼人は誠実な人じゃないんじゃないかっていう風に一瞬疑ったし、でもそういう人やったからこそ私の話とか色々聞いてくれてなぁ。
そういう風に笑い飛ばしたりもしてくれたし、私から見た隼人はやっぱり凄く男の人として誠実やった」
隼人「ありがとう」
ゆーみん「私はやっぱり隼人と一緒にいてこれが私なんやなっていう風に見えてきたっていう感じがするし。自分が持てるようになったんかなっていうふうに思ってる。
それにもっと色々変わっていけると思ってる、私は。でももうごちゃごちゃ言わんととにかくもうずっと一緒にいてほしい。
別に何するとかそんなんじゃなくって一緒に居れるだけで私はホンマに楽しかったし。あっ楽しいし、嬉しいし。だから一緒に帰ってください。じゃチケットだ。パジャマで寒いのにありがとう。じゃうちは行きます。」
隼人「お休み」
こうしてゆーみんの生まれて初めての告白は終わった。
隼人「はー」
ホテルに戻ったゆーみんは、緊張から開放されたのか、熟睡中。
そこへ、ディレクターが想いを聞く為声を掛けた。
しかし、告白の結果はほとんどあきらめているゆーみん。寝起きも手伝って、機嫌は最悪の状態にあることをディレクターは気付いていなかった。
小牧ディレクター「自分の言葉でちゃんと伝えられた?」
ゆーみん「・・・・・・水飲んでいいですか?ゴクッゴクッゴクッゴクッ」
小牧ディレクター「ど、どうだった?」
ゆーみん「いや、どうにもこうにもないですけど」
小牧ディレクター「・・・・・・・・・。」
そして
小牧ディレクター「(今日は話すのやめよっか。」
一方隼人は
隼人「突然だな、おい・・・」
隼人“ゆーみんの告白は力強く感じた。弱い人がこんなにも強くなれるものなんだなあと思った”
しかし
隼人「いい子なんすけどね。でも妥協はしたくないんで・・・。うーん・・・」
ゆーみんの告白を受けた隼人が出した答えとは!?
アフリカ大陸最南端『喜望峰』に運命の日を告げる朝日が昇る。
この時、ゆーみんは悟っていた。望む答えは返ってこない。
この恋の果てに、希望という言葉は存在しないことを・・・。
しかしその表情は、晴れ晴れとしていた。
一方、ラブワゴンでは一縷の希みを託す4人の仲間たちが奇跡だけを信じ、静かにゆーみんを見守る。
その時!隼人が現れた
隼人「おはよー」
ゆーみん「おはよう。風すっごい」
そして、一つ一つ言葉を選ぶようにゆーみんが話し始めた
ゆーみん「私の気持ちは結構ずっと固まってたし。私はそれを絶対曲げたくないって思ったから曲げんとやってきた・・・と思う。何か後悔とか思い残したとか無いしすごい満足してる今は。だからあと考えてんのは隼人と一緒に帰りたいというのだけで。隼人が、考えたことを教えて欲しい」
共に5ヶ国・・・旅の中で互いを見つめてきた2人・・・
隼人の出した答えとは
隼人「ゆーみんどは、ブータンがらのスタートで最初の印象っていうのは何でこの人は下ばっかり見てんだろうって。
下ばっかり見て、生きている実感っていうの、こう活気に満ち溢れてないっていうの。そういうの見えで、そだな印象で。だげどずっど、下ばっかり見てだっけ人がどんどんどんどん前向きに考えるようになってそん時から顔つきも可愛くなってって。
凄い俺、俺としてもビックリした。ゆーみんのそのそういう、実はたくましい子だった。俺も結構なんだあの・・・離婚して、弱気みだいな・・・弱音か、弱音吐いでだんだけど。だげどゆーみんがらの告白。
それ聞いで、離婚は終わりじゃないって。そっからがスタートだって思ったの。結果だけじゃないって。結果出るまで自分がどれだけ頑張って自分にどう納得したか。
それが大事なんだなって。最後の最後にゆーみんがら教えてもらって、まだ100%な気持ちじゃないけどゆーみんと一緒にいて、一緒にいて。そっから始めんのもいいんじゃないかな。あんたと一緒にいたいんで、一緒に帰りましょう」
ゆーみん「うん。帰る」
隼人「帰ろう、帰りましょう」
ゆーみん「帰る、どうすんの?」
隼人「はい」
ゆーみん「だって」
隼人「いくよ」
ゆーみん「私、どうしたらいいの?どうしたらいいの?」
隼人「目つぶりなさい。胸をはって目をつぶりなさい。はい、行くよ。早く胸をはって目をつぶりなさい。行くよ」
見事カップルになった、ゆーみんと隼人
カジ「やったー!おめでとー!」
ゆーみん「カジー」
美紀「すっごく嬉しい」
幸栄「いやぁホントいいもん見た」
隼人「次はお前だぞ」
幸栄「良かったな」
隼人「ハオロン、あんた30歳なんだから皆を引っ張るあれあるんだから」
美紀「恥ずかしそうだったよ隼人」
隼人「だって恥ずかしそうにするんだもん」
カジ「かわいかったー。楽しみだね、これから。いっぱい楽しいことあるね。じゃあね頑張るんだよ」
ゆーみん「カジもね」
隼人「閉めるよ」
カジ「ありがとう」
隼人「じゃーなー。頑張れよ、んだればね」
幸栄「じゃーな」
隼人「うんだればー」
ハオロン「おめでとう」
最果ての喜望峰にあいのり28組目のカップル誕生!
ゆーみん、隼人おめでとう!
カップルとなってラブワゴンを見送ったゆーみんと隼人。
小牧ディレクター「今日のゆーみん見てどうだった?」
隼人「美人ですね。何だず。美人ですよ。胸張ったほうがいいよ、アンタ」
小牧ディレクター「初めてのキスの味は?」
ゆーみん「またそういうエロイ。顔がエロイ」
小牧ディレクター「ごめん、エロイかな?」
ゆーみん「エロイ。そういう事聞くのエロイ」
小牧ディレクター「感、感、感覚っていうか」
ゆーみん「やめてください、そういうのなし、無し、無し」
隼人“やっぱり正直っすよね。腹黒さとか無いじゃないですか。ホント自分に正直に真っ直ぐで。やっぱり何だかんだいって自分ってすごい弱い人間なんすよ。でもやっぱりゆーみんも最初弱かったじゃないですか。弱い人間でも頑張れば強くなれるんだなってこと知ったんで、立場は全然違うかもしれないですけど俺も離婚してから一歩っていうのを踏み出せなかったんで同じ立場なのかなっていう。前の事をプラスに考えて今から一緒にやって行けたらいいんじゃないですかね”
隼人「宜しくお願いします」
ゆーみん「宜しくお願いします。ぶっちゃけ聞いていい?私の事、す・・・好きなん?私の事好きなん?」
隼人「好きだよ」
ゆーみん「ホンマに?」
隼人「好きだよ」
ゆーみん「そうなん?でもどうすんやろう?どうすんやろ、どうなん、どうなんの?」
隼人「何が?」
ゆーみん「平べったく言ったらあの付き合うってことになるの?」
隼人「なんじゃないの?」
ゆーみん「あそうなの?え、何かやっぱり違うの?え?今までとは」
隼人「何?何言ってんの?」
ゆーみん「え?分からん、分からん。全然、分からん」
隼人「今さら、何言ってんのあんた」
ゆーみん「はは、分からん」
ゆーみん“これで終わったと思ったがそうじゃなくなった。日本に帰ってからも続きがあるらしい。大変・・・だけどこれで終わりじゃないのが嬉しい”
カジの焦り
ゆーみん、隼人と別れ、ケープタウンの町を走るラブワゴン。
メンバー「イエーイ!」
美紀「お祝いしたいよね」
皆、久々のカップル誕生に大喜び。
しかしラブワゴンに残ったこの4人。自分たちはどうなのか?
あいのりして4ヵ国、OLのカジは人生モテモテの自称『恋愛の達人』合流当初はそのセクシーバディーで男性陣の視線を釘付け。
しかし・・・カジは辛い旅を続けることに。恋をすることも、されることもなく
カジ“いいかげん恋したい。カジはどんどん追いつめられる。肌ボロボロ・・・このままだと来月から行く永久脱毛の13万円が無駄になる”
一方、こちらは恋愛真っ最中。新潟から沖縄に移り住んだダイバーの幸栄は自分に正直に生きる超自然児。
そんな幸栄が想いを寄せるのはエステの美紀。美紀の積極的なアプローチに幸栄は完全に心を奪われ、気持ちは高まる一方
幸栄“すっごい気になって気になって気になって気になって顔も合わせられない位なんですけど、ほとんど気持ちは固まってるんで。いやもう絶対一緒にいたいなって思います”そんな幸栄の恋のお相手が元エステティシャンの美紀。
どんな時も弱音をはかない『頑張リスト』美紀は、気になっていたダイバーの幸栄に積極的にアプローチ!順調に恋を育んでいるかに見えた。
しかし幸栄に対する気持ちがないことに気付いた美紀は突然リタイヤを宣言。しかし隼人の言葉に思い直し旅を続けていた
美紀“南アフリカの美しい自然と街並みで楽しくなってきた。前向きにGOGOッGO―”
そして最後はこの男。30歳通訳会社社長のハオロン。
合流した直後いきなり場の空気が読めない発言の連発。それが尾を引きハオロンは軽~く浮いていた
ハオロン“ひとりでいる時間が長い。恐ろしく長い”
恋愛など全く生まれそうにないトホホなラブワゴン。
しかしここ南アフリカで告白に次ぐ告白がやって来ることをメンバー達は知らなかった。
ハカセがあいのりに合流!
そして待望の新メンバー合流の日
スタッフ「(新メンバーの)情報を入れときます」
カジ「はい!」
ここでスタッフから男性新メンバーのプロフィールが
スタッフ「今から男。東京大学卒業。現在京都大学(大学院)博士課程」
美紀「はぁ~すごい!」
カジ“心臓が口から出そう。今度こそ今度こそ突っ走っちゃお~きっとステキな人だと思う”
カジ「イエーイ!!!」
カジの期待を乗せ走ること10分
幸栄「あ!いたいたいたいた!」
カジ「マジで!?」
幸栄「あの橋の上!」
美紀「あ~!」
男性新メンバー発見!
ハオロン「最初肝心だから、カジ。」
カジ「そうだね。大丈夫?」
幸栄「もう1つボタン開けた方がいいと思う」
カジ「ゴーゴゴー」
カジ・美紀「こんにちはー」
新メンバー「初めまして」
カジ「・・・へぇ~・・・」
新メンバー「京都から来ました、岸茂樹っていいます。あの、僕、大学で研究をしてまして、あの生態学。これ、あの、フンコロガシ」
ハカセ(26才)は愛知県出身。東大卒のハカセが所属するのは京都大学大学院農学研究科応用生物学専攻昆虫生態学研究室。
ここで日夜、『食糞性コガネムシ類の親による子への投資分配様式についてトレードオフに関する論理的モデルに基づき種の違いによる投資戦略の差異や親による餌投資の量的質的評価の程度について』研究している。そんなハカセの趣味はカメラ
幸栄「あ!カメラ持ってる!」
ハカセ「これ、趣味で。とりあえずここで一枚」
カジ「ファーストショット?」
幸栄「じゃあこれ真ん中にしようよ」
ハカセ「はいよ」
幸栄「早いな」
カジ「ちゃんと言ってよ~!」
ハオロン「プロだ。プロプロプロ。」
新メンバーのハカセを乗せ、再び走り出したラブワゴン。
メンバーも高学歴のハカセに興味津々。
幸栄「東大卒でしょ?現役?一発?」
ハカセ「うん。」
カジ「すごいねー」
幸栄「じゃあハカセのタイプ」
美紀「どんな子が来てほしい?」
ハカセ「結構俺面食いなの。」
カジ・幸栄「ハハハハ」
カジ“新メンバーがハカセ?!どうして恋愛できそうな相手を入れないわけ?マジでありえないんですけど・・・キャラ重視としか思えない”
樹莉があいのりに合流!
そんなカジの怒りを乗せて走ること10分
美紀「いた~!」
ハオロン「あーいたいたいた!」
女性新メンバー発見!
美紀「かわいい~!」
そして新メンバーの前を通り過ぎたほんの一瞬で恋に落ちた男がいた。
30歳社長のハオロンだ!
ハオロン「やっべぇ。」
美紀「かわいい。」
ハオロン「見た?」
カジ「おっハオロンが目輝かしてる」
新メンバー「こんにちはー」
ハオロン「目大きいね」
新メンバー「初めまして、こんにちは。神奈川県から参りました。岡部樹莉と申します。樹莉と呼んでください。」
樹莉(22歳)は神奈川県出身で運送屋さんでアルバイトをしている。家族の熱烈な声援を受けて参加した箱入り娘だ!
幸栄「緊張してるね。」
樹莉「ちょっとだけ。」
メンバー「アハハハハ」
初海外で緊張気味の樹莉がラブワゴンへ。
しかし
ハオロン「ハァハァ・・・」
ハオロンは1人その場に座り込む
ハオロン「僕のあいのりが始まりました。道の真ん中にいる時に、ウワッ!と。でも・・・僕が緊張しちゃってハハハ」
「行くよ~」
早速、樹莉にアピールするハオロン
新メンバーを加え、ラブワゴンに乗り込むメンバー。
すると箱入り娘樹莉の隣をハオロンがキープ
ハオロン「そっち側だと(肌が)焼けるけど大丈夫?焼けちゃうから替わろうか?」
樹莉「ありがとう。」
樹莉をさり気なく気遣う社長のハオロン。
そして走ること10分
ハオロン「特技は何?」
樹莉「ん?特技?何だろう?ちょっとクラシックバレエちょっとだけやってた」
ハオロン「バレエか、体ラインが良くなるよね」
樹莉「姿勢がよくなった」
ハオロン「良くなるよね。やろっかな俺も、バレエ」
ハオロン“何を話しているんだか自分でもよく分からない真っ白になるような感じがします。テンション高すぎても皆にバレバレなのもちょっとどうかなっていうのもハイ”
そしてドライバー、ドミニクさんの案内でやってきたのは近くの植物園。
「綺麗。すごい綺麗。」
ドミニクさん「国ノ花。キングプロテア。」
観光ガイドの仕事をしているドミニクさんは花にも詳しい。
ドミニクさん「色ンナ有名ナ花、ココカラ始マッタ花。例エバジェラニウム。デージーモ全部元々ココカラ。ケープ、ケープ州ノ花。」
私たちが普段よく目にするこれらの花は、みな、南アフリカ、ケープタウン原産の花。
そう南アフリカは花の王国なのです。
ドミニクさん「コレハ何ノ花デショウ?」
すると東大卒京大大学院生のハカセが
ハカセ「日本でも結構あって極楽鳥花っていう」
ハオロン「さすがだね。」
樹莉・ハオロン「ハハハハ」
これに気を良くしたハカセは
ハカセ「ドミニク、ちょ、ちょっと待って。僕やってみたいことがあって。あのカラ寄せって言って鳥を寄せることができるの」
メンバー「へぇ~」
なんと野鳥を呼び寄せることが出来るというハカセ。
メンバーが見守る中、いざハカセの東大&京大仕込みの秘技が飛び出す
ハカセ「プシープシープシー」
メンバー「?」
その日の午後。
ハオロン「樹莉~話そう。」
箱入り娘の樹莉を社長のハオロンが誘った
ハオロン「樹莉って良い名前だね。樹莉ってすごいね。芸能人みたいだね」
樹莉「なんか(あいのりの)実感沸かないんだよね」
ハオロン「まだ沸かなくて大丈夫だよ」
樹莉「でもやっぱね、凄い家族が喜んで何か私以上に盛り上がってた。」
ハオロン「そう家族の話して」
樹莉「家族ねーお父さんとお母さんと4つ下の妹と20下の弟」
ハオロン「20下の弟ってすごいね」
樹莉「ねー自分の子供みたいだよ。一緒になって子供になってるって感じ」
ハオロン「気持ちいいなーうれしいな~。ハハハハ」
美紀がリタイアを考えていることを知った幸栄
その夜。
スタッフを尋ねてきたのはダイバーの幸栄。
頑張リスト美紀が肩にもたれかかってきたあの日以来、幸栄は美紀との関係に手応えを感じ1人盛り上がっていた。
美紀が一度はリタイアを決意したとも知らずに
幸栄「調子こいてるかもしんないすけど多分結構いい感じだったと思ってるんですよ。だってこんなのやんないじゃないですか。絶対やんないすよね?こういう状態だったら周りから見たらもう帰れよぐらいじゃないですか?一発俺もバッてやってやりたいですね。決めてやりたいですね」
次の日の夕方。
ダイバーの幸栄はルンルン気分で頑張リストの美紀を呼び出した。
しかしこの後、幸栄は美紀の本当の気持ちを知ってしまうことになる
幸栄「俺は、スリランカ、マダガスカルとすごい気になる子がいてその気持ちは日に日に強くなってってマダガスカルの時はもうすごい好きでそんで告白も考えたんだ」
美紀「そうなんだぁ」
幸栄「・・・結構自分の中にホントにもう(告白に)行こうかなぁぐらいだったんだけど色々迷いとか色々あって」
美紀「それぞれあるよね」
幸栄「・・・調子どう?」
美紀「帰らなきゃっていう感じなんだけど、でも取り合えず取り敢えずって感じで」
幸栄「取り敢えず?」
美紀「うん!旅に色々頑張ってきたわけなのね、私なりに。で、答えも出たことだし」
幸栄「出たんだ?」
美紀「出た。出たっていうかリタイアとか」
幸栄「リタイア考えてたってこと?」
美紀「うん。リタイアとかはそれはさておき」
幸栄「リタイアってことは恋愛してないってことでしょ」
美紀「リタイア・・・。まぁそれはさておきにしとこうよ」
幸栄「いやいや結構重要だよ」
美紀「そうかなあ」
幸栄「美紀さ、なんか全部自分出せてる?」
美紀「うんッ!」
美紀“幸栄これから仲間なんだからお互いもっと気持ちよく過ごせたらいいよね”
その車内、ダイバーの幸栄は、すっかり落ち込んでいた
幸栄“何とかしないと何とかしないとマズイなと思って。マダガスカルの時と今の俺に対する態度が明らかに違うし。だからもうダメっすね”
一方すっかり明るくなった頑張リスト美紀は
美紀「ここで心理ゲーム!」
メンバー「イェーイ」
久しぶりの登場、あいのり恋愛心理テスト。
このテストでは隠れた男の本性がたちまち暴かれます。皆さんも紙と鉛筆を御用意ください。
説明は美紀先生から
美紀「まず、ノートに檻を描いてください」
幸栄「何、檻を描けばいいの?」
美紀「檻、檻描いて。その後、中にオスのライオンを描いてください」
わかりましたか?
まず1枚の紙に檻を描いてください。
そしてその中に1匹の雄ライオンを描いてください。
さぁ~皆さんもお描きください!
ハオロン「出来た。」
美紀「答えは性的欲求度を示してます」
このテストは男性の深層心理に隠されている性的欲求度を診断します。
心理学的に雄ライオンは性欲の象徴、檻はその欲望を抑えこむもの、『理性』を暗示しています。
ポイントはライオンの大きさ。
ライオンが大きく描かれ、檻の中に空間が少ないほど性的欲求度が高く、欲求不満状態にあることを示します。
テストの結果、ハオロンと幸栄はライオンがオリの中で大きく描かれ、少し欲求不満気味であることが分かりました。
そして東大卒京大大学院生のハカセの絵は
カジ「ヤダー!アッハッハ」
なんと!ライオンがオリからはみ出しています
美紀「性的にはもう限界を超えてます。彼の頭の中はいつあなたに襲いかかろうかそれだけでいっぱいです。隣気をつけてー」
ハカセ「いっぱいですよ。いっぱいです。」
その日の夕方。
30歳社長のハオロンが、性欲の塊ハカセを呼び出した
ハオロン「今までさぁ、あいのり来る前とかさ、彼女とかいた?」
ハカセ「俺、大学卒業するまであんまり、っていうか誰とも付き合ったことなくて」
ハオロン「高校は?」
ハカセ「無いよ」
ハオロン「そっか、やっぱ犠牲にしてたんだね。いろいろね。もてそうだけどね」
ハカセ「白々しいな」
ハオロン「いや冗談抜きでホント、ホント」
ハオロンにもようやく友達ができたようだ。
カジがまさかのドライバードミニクを好きになった!?
翌日。
今日はドライバー、ドミニクさんのお宅にお邪魔させてもらうことにしたメンバー。
しかしここでカジにとんでもない出来事が待ち受けていた!
小高い丘を登っていくと
カジ「こぉ・・・ここ?ここ?」
なんと自動で開閉する門。それを抜けるとさらに二つ目の門が
カジ「到着?」
そして階段を上り長い中庭を抜けるとドミニクさんの豪邸が!
ドミニクさん「コチラガ私ノオ父サンガ住ンデイル家。ソレカラ私ハソコデ住ンデマス」
メンバー「へぇ~」
なんとドミニクさんはたった1人、こちらの家で生活しているという。
カジ「おじゃましま~す」
ドミニクさんがたった一人で暮らしているこちらの離れには15畳のベッドルームがなんと3部屋。もちろん全てバス・トイレ付
ハカセ「凄すぎるでしょ、この家?」
カジ「凄ーい。」
さらに階段を下りて外に出ると
幸栄「何だこりゃ?」
ドミニクさん専用のオープンテラス。そしてバーカウンター!
カジ「はぁ~」
カジ、ため息が・・・
そして当然プール。さらにサウナまで付いている。
ケープタウンの街並みを一望出来る高台に建つ、総敷地面積800坪のドミニクさんのお宅。
これで南アフリカに住む白人の家としては珍しくないサイズの家だという。
ドミニクさんの父イヴさんはアルゼンチンから移り住み、ケープタウンでホース工場を経営。
ドミニクさんは若い頃から世界中を旅し、オーストラリア、そして日本に留学。ゆくゆくはお父さんの会社を継ぐ予定だという。
するとカジが
カジ「もう、ありえないドミニク!どうしよう。楽しくなってきちゃった」
幸栄「良かったじゃん」
カジ「ありえなぁい。あっははは」
そしてその夜、スタッフを待っていたのは、あいのり史上かつてない、驚くべき知らせだった!!
カジ「報告があります。」
スタッフ「・・・ほい。」
カジ「えっと、カジは恋に落ちました。フフフ」
まさか?!
スタッフ「誰?」
カジ「ドミニクだけど。ウフフフフ、照れちゃった。」
スタッフ「うそ、きちゃった」
カジ「きちゃった。何でそんな落ち込んでんですか?」
スタッフ「チケット取りに行く?行かない?それも考えなきゃね」
カジ「考えてください」
スタッフ「OK。じゃあちょっと東京に連絡します。それは・・・」
カジからドライバードミニクさんへの想いを聞いた同行ディレクターは早速、判断を仰ぐ為日本に緊急メールを送信。
スタッフ「ドライバーとの恋愛は許されるのでしょうか?」
そして翌日。
南アフリカに届いた番組プロデューサーの判断は
プロデューサー「面白いからいいんじゃない?そっちは暑い?頑張ってね」
あいのり史上初ドライバーに恋をした女カジ。果たしてこの禁断の恋の行方は?!
アパルトヘイトの現実を知るあいのりメンバー
翌日。
ケープタウンの洗練された大都会を走るラブワゴン
幸栄「今日もいい天気だな。」
カジ「5日連続だね」
ドミニクさん「ソウデスネ」
カジ「かわいい~。」
今日はドミニクさんがある場所に案内してくれるという。
そして走ること20分。目的地に到着。
しかし黙り込む6人。ラブワゴンの外には何人もの黒人の人々が。
そして道には大量のゴミや廃材が捨てられ、周りにはいくつもの荒れ果てた小屋が立ち並ぶ。
この日、メンバーを出迎えてくれたのはドミニクさんの友人、スピューウェーさん
スピューウェーさん「ついて来て下さい」
スピューウェーさんの後をついて行ってみると
スピューウェーさん「向こうに見える豪邸は白人たちが住む住宅地だ。金網からこっちが俺たちが住むタウンシップさ。」
タウンシップ。
タウンシップとは主に黒人の人たちが生活している地域のこと。
山すそにあるこの狭い土地に、現在およそ2万人もの黒人が暮らしている。
南アフリカにはこのようなタウンシップが現在も数多く点在している。
美しい街並みとのあまりの差にメンバー達は言葉も出ない。
5ヶ国語に堪能なハオロンが通訳をかって出た
ハオロン「向こう(白人たち)はボートもあるし、車もあるし。全てはアパルトヘイトのせいだ」
アパルトヘイトとは10年前まで南アフリカに存在した『人種隔離政策』。
当時の白人政府はあらゆる面で白人を優遇し、それ以外の黒人をはじめとする人種を差別してきた。
当時、人口の70%以上を占める黒人たちは国土のわずか10%の土地に押し込められ、苦しい生活を余儀なくされた。
そして1994年黒人初のマンデラ大統領が誕生し、アパルトヘイトは終焉を迎えた。
しかしアパルトヘイトが廃止されてから10年。住む場所は自由になったものの、黒人たちは未だ貧しい生活から抜け出せない。
ハオロン「あー、(金網の)向こう側に住んでいる白人の家でお手伝いしたりとか、仕事をしに行ったり、ここからしてるって。あそこに水道あるけど皆ここに(水を)汲みに来てるんだって」
一つの蛇口から出る水を皆で使って生活する現実。現在、黒人の収入は白人の4分の1に過ぎないという。
これはアパルトヘイトの影響で満足に教育が受けられず、職に就くことが困難なことが理由に挙げられる。
時に貧しさは人間から希望まで奪ってしまう。白人たちが生活する豪邸を見上げての生活。
昼食するとスピューウェーさんが昼食に誘ってくれた
幸栄「なんだ、これ?」
ハオロン「コメ?」
これは黒人の人たちの主食「パップ」とうもろこしの粉をお湯に溶かして膨らせたもの。
そして、煮豆と羊の内臓の煮込みが毎日のメニュー
メンバー「いただきまーす。」
しかし調味料がほとんど使われておらず羊の内臓特有の強烈なにおいのため、一口食べるのがやっと。
スピューウェーさん「俺たちがいつも食べてる食事がこれだよ。あの歳の子供を見ると兄を思い出すよ。刑務所に連れていかれた兄をね。あれっきり帰って来ない。まだ12歳だった。30年も前の話さ。」
幸栄「別に何かした訳じゃないでしょ?」
ハオロン「どうして、お兄さんが警察に捕まったんですか?」
スピューウェーさん「肌の色さ。」
メンバー「・・・・・・。」
幼稚園そして昼食後、スピューウェーさんの案内である場所へ。
そこは周囲をゴミに囲まれたタウンシップ内の幼稚園
ハオロン「わぁ、凄いキレイ。」
ここは子供を持つ親たちが、お金を出し合って運営している幼稚園。
教育が受けられず、貧しい生活を強いられている自分たちのようにさせたくないという、親たち、希望の城だ。
メンバーは子供たちと遊ぶ。
そして幼稚園を後にする6人。
一歩外に出ればそこにはゴミだらけの荒んだ光景が広がっていた。
タウンシップからの帰りの車内
カジ「あれ(タウンシップ)を見てこれ(発展した街)を見ると、同じ国で、ホント、そんなに離れてないじゃん?車で10分、15分・・・」
ハオロン「ね。違う国だよね。」
その夜。
ハオロン「スピューウェーさんの言葉一つ一つ、重たくて心が結構、疲れたね。うん。」
カジ「親もすごい貧しいと思うのに子供に全てを託して(幼稚園に)通わせてて凄いって」
するとそこへドミニクさんがやって来た
ドミニクさん「どうだった?今日は」
幸栄「びっくりしました」
ドミニクさん「この国はもう色々あるからそれを分かって欲しいと思ってた。今までは皆はあぁキレイキレイとその自然の所しか見てなかったから。」
そしてドミニクさんは自分が体験したアパルトヘイトについて語り始めた
ドミニクさん「僕はあの、13歳かな14歳かな、ちょっとレゲエ、レゲエ音楽が好きになった。そしてその時、少しずつ今日行った所、タウンシップも行ってた。皆は、あなた頭がおかしい、どうしてあそこに入るの?とか言われたいつも。そして(タウンシップを)出た時に警察にもし見つかると凄いボディチェックをされて、どうしてここに入ってきたと聞かれた。大学の時には毎日すごい(アパルトヘイト反対の)デモがあった。そして僕もたくさんのデモをやって、なんていうか肌の色は関係ない。一緒にいい国を作ろうという気持ちがあった。そしてその時、軍隊が大学に来た。何回も皆(デモをする)大学生をこうして、その時は本当に怖かった。だからこの国は複雑。もう本当に大変です。とっても深くて複雑。もし教育が平等だったらここは平和な国になると思う。でもいい世界を作るためにはLOVE&PEACEの気持ちが一番大切だと思う」
翌日。
ドミニクさんの話を聞いた6人は再びタウンシップを訪ねた。
カジ「下校時刻だー」
幸栄「帰るのか?」
メンバーがやってきたのは昨日の幼稚園。
幼稚園の前に捨てられたままの大量のゴミ。そしてそんな危険な道路で裸足で遊ぶ子供たち。
すると
幸栄「よしやるぞ。」
カジ「よいしょー」
メンバーたちはゴミを拾い始めた。
タウンシップで暮らす人々の生活を見て、メンバーたちはせめて幼稚園の周りだけでも綺麗にしようと考えたのだ。
未来を担う子供たちのために
幸栄「ガラスな。」
樹莉「ガラス危ないんだよねー。」
突然、樹莉が靴下を脱ぎ始めた。
そして子供たちと同じように自ら裸足になり、道に落ちているガラスを1つ1つチェックする
樹莉“子供たちを見て(弟の)優人を思い出した。出来るだけのことをしたいと思った”
すると
幸栄「お、子供たちが手伝ってくれてる。」
ハカセ「うん」
カジ「サンキュー。」
地元の人々も、掃除を手伝い始めた。
今まで街が汚いのを気にもかけなかったタウンシップの人々。
遠い国から来た6人のひたむきな若者の姿が彼らの心を動かしたのかもしれない・・・。
そんな中、社長のハオロンは今まで見せたことのない真剣な表情で掃除に打ち込んでいた
ハオロン「ゴミ袋をそこに置いた後にその上にこの板を置くから。そうすると犬が来ても、あの、グチャグチャにされないし。」
「はーい。」
すると突然ハオロンが・・・
ハオロン「グシュンハァハァ情けない・・・これぐらいのことしか、出来ないもんな・・・」
語学堪能で通訳の会社を経営している社長のハオロン
ハオロン“言葉で人を繋ぐ仕事をしている自分にとって受け入れたくない悲しい現実。自分にできる抵抗が掃除くらいしかないのか?と思ったら悔しくて涙が止まらなかった”
そしてゴミだらけだった幼稚園の前の道路は3時間後、すっかりきれいになった。
ガラスのなくなった道路では裸足の子供たちの笑い声が響いていた。
そして帰り道。まだ泣いているハオロンにハカセが声をかけた
ハカセ「ハオロン。飴あげる。」
ハオロン「いらないいらない」
ハカセ「これはね、僕の中の約束だから。涙を流したりとかずっと文句を言ってると母親に飴玉1個こう口の中に入れられるんだよ。そうすると結構泣きやんじゃうの」
スピーウェーさん「日本に帰ったらみんなに伝えてください。この国や私達のタウンシップについて。」
ドミニクに恋をしたカジはどうなるのか!?
翌日。
暖かな日差しに包まれ、走るラブワゴン。
その車内、カジはドミニクさんの言葉を思い返していた。
カジ「肌の色は関係なく、一緒にいい国を作ろうという気持ちがあって」
カジ“ドミニクの話が聞けてよかった。まじめでステキな人だと思った。ますますドミニクのこと好きになった”
そんなカジの視線の先。バックミラーに映るのは想いを寄せるドミニクの姿。
そしてこれが、切ないカジのバックミラーの恋の本当の始まりだった・・・