ボクサーの秘めた思いを感じて栄子の恋が動き出す/初代あいのり第186話のネタバレ
初代あいのり185話では、ガチャピンがDAIへ告白をして見事カップルになって日本に帰国をした回でした。
186話の題名は「幻の夢」フジテレビでのオンエア日は2003年8月25日。
マレーシアに入国したラブワゴン
シンガポールを走るラブワゴン。その日、5人がやって来たのは
「マレーシアだわ」
ラブワゴンは再び、マレーシアとの国境へやって来た。東京23区の広さしかない都市国家シンガポールの旅は、ここでお終い。
マレーシアはボルネオ島と、ここマレー半島の2つのエリアにまたがる国家だ。既にラブワゴンで旅したボルネオ島は、少数民族が暮らす大自然の宝庫。
一方こちらの「半島マレーシア」は、敬虔なイスラム教徒であるマレー人が多数を占めているのが特徴。急速に近代化されつつあり、高速道路もご覧の通り日本並み。そんなハイウェイのパーキングエリアで
スマンさん「チョットマッテクダサーイ」
手提げカバンを持って車を降りるドライバーのスマンさん。ここは旅人のためのお祈り小屋。スマンさんが手にしていたのは、カバン自体が敷物に変身するお祈り用のトラベルセット!敬虔なイスラム教徒が多い、ここ半島マレーシアならではの光景だ。
さらに、立ち寄った食堂では
さくら「手で食べるのか」
これもイスラム式。穢れているとされる左手を使わず、右手だけで手づかみで食べる。と、いう事でマレー風カレーライスを手づかみで食べる5人
「・・・」
優しさだけでは好きになれない
その日の夕方、街へ辿り着いた5人は休憩を取る事に。すると
浅ちゃん「さくら行こう」
この日も、さくらを誘う浅ちゃん。それは、悩める浅ちゃんが今この旅で出来る、精一杯の前向きな行動。しかし
さくら「え、今日は違う人と行く」
きっぱり拒絶
浅ちゃん「じゃあまた、今度の機会に一緒にお話させて下さい」
さくら「(シマ)行くか」
さくらが、シマを誘い去って行く。すると浅ちゃん、さくらの周りを行ったり来たり・・・。一方、さくらは
さくら「ドキドキした」
シマ「何で?」
さくら「いっつもさ浅ちゃんと過ごしてきたし。向き合ったけど流れ変えたかったし」
自分にとって本当に必要な「幸せ」を探しに、この旅にやって来たさくら。この旅で浅ちゃんの優しさに触れ、一度は向き合って行こうと決意した。しかし
浅ちゃん「サキっていう女の子がいたんよ」
そして、さくらは
さくら“すごい良い人だし、優しいとか感じるんですけど。話してて、いまいち自信がないんだと思うんですよ。優しいだけじゃ、優しいだけじゃ好きになれない・・・”
さくらが浅ちゃんとの関係に耐えきれず泣き出す
マレー半島の旅を続けるラブワゴン。その日5人がやって来たのは
「クアラルンプール!」
マレーシアの首都、クアラルンプール!452mという世界一の高さが自慢のツインタワーが、この街のランドマーク。そんな近代的な面と、イスラムのエキゾチックな空気が共存する街だ。
ラブワゴンがまず訪れたのは、地元で人気の海水浴場!5人は早速ビーチへと繰り出した。久しぶりの海に大喜びのメンバー達!そんな中、一人出遅れるボクサー。
さくら「何で泳がないんだよ」
ボクサー「泳げねぇんだよ!」
すると
栄子「わかった、じゃあ練習しよう。バタ足の練習から」
カナヅチのボクサーのために、男前の栄子アニキが泳ぎ方を指導する
栄子「ハイ上げて!ボクサー違う!」
栄子達の応援で、いつもの笑顔を取り戻したボクサー。しかしボクサーには、まだ誰にも話す事が出来ない思いがあった。
一方、波打ち際で1人ぽっちで過ごす浅ちゃん。するとそこへ、栄子アニキがやって来た。
浅ちゃん「何か昨日すごい思った。俺一人の人ずっと誘ってるじゃん。すげえ悪い事したなとも思ったし」
栄子「何で?」
浅ちゃん「もしかしたら他の子と話したかったりしたと思うんだよ。でもずっと誘ってたし。それが重なって今日はちょっとゴメンって言われたと思うけど。ショックやったけどね断られた事ないから。断られたヤツも見た事ないから。あれって皆の前でだったじゃん。でもそこまで勇気出して言うっていう事はそれまで苦しかったんじゃねぇかなって考えちゃうし」
栄子「また挫けず誘ってみたら?」
浅ちゃん「どうしよう」
翌日のラブワゴン。さくらと浅ちゃんが隣同士に
浅ちゃん「・・・」
すっかり明るさを失ってしまった浅ちゃん・・・。一方、さくらも
さくら“私が断った事によって気まずくなっちゃったし、色んな感情が頭駆け巡って”
さくらにとっても、あの日自分がとった行動は、忘れる事の出来ない罪悪感を伴うものだった。すると涙を堪えきれずに、うずくまるさくら。メンバー達が、さくらの異変に気付く。
栄子「泣いてるのさくら、大丈夫?」
ボクサー「調子悪いの?」
栄子「休んでるワゴンで?」
さくら「うん」
声を掛ける事すら出来ない浅ちゃん。そしてラブワゴンにさくらを残し男だけで会議。
ボクサー「ストレスとかそういうのできてるんだよ」
浅ちゃん「俺昨日一言も喋んなかったから」
ボクサー「誰か1人ついててやればいいからさ。じゃあ浅ちゃん」
浅ちゃん「俺行きたいけど行ったらまずいかなと思ってさ」
ボクサー「その気持ち伝わるんじゃないの?」
浅ちゃん「悪い、行く!」
浅ちゃんが一人、ラブワゴンへと戻る
浅ちゃん「さくら大丈夫か?俺何も喋らんさかい、ここにいていい?ゆっくり休んでなよ」
さくら「いいよ。一人でいい。皆の所戻って」
浅ちゃん「マジで?いいよいいよ」
さくら「行って、行って」
浅ちゃん「行った方がいい?」
さくら「うん」
浅ちゃん「そっか・・・OK」
さくらに拒まれ、どうする事も出来ない浅ちゃん
浅ちゃん「無理だけはしんといて」
浅ちゃんはさくらのもとから、ただ立ち去るしかなかった・・・。
心臓弁膜症で引退を余儀なくされたボクサー
浅ちゃんの申し出を断り、ラブワゴンの中で一人うずくまるさくら。すると
さくら「びっくり」
そこへ怪しげなオヤジが。実はこの男性このお寺の住職さん。悩みを抱えた人の心を、解き放つ秘術を持つという。
そんな住職さんに誘われ、ボクサーがお寺の中へ。ボクサーにはまだ誰にも言えない思いがあった。
高校時代にボクシングを始め、アマチュアで34戦28勝23KO。そしてプロデビュー後、瞬く間に日本ライト級3位まで登りつめ、チャンピオンの夢はすぐそこだった。
しかしそんな絶頂期のボクサーを襲ったのは「心臓弁膜症」心臓の弁に機能障害がおき激しい運動ができなくなるというスポーツ選手として致命的な病だった。
そして、突然告げられた引退の宣告
ボクサー“今までがずっと、「夢」っていうので来たから、止める時は死んだほうがいいな位に思いましたからね。運命としか・・・そう思うしかないから”
それはボクサーにとって、2度と取り戻す事の出来ない夢だった。怪しげなお寺へとやってきたボクサー。ここはマレーシアで独自に発展したチャン・ブーン・キーという密教の寺院。すると
住職さん「アチュアチュ」
住職さんが、いきなりお酒を勧めてきた
ボクサー「ゲホ!」
住職さん「ハオハオ」
これはン・カー・ペイという有り難いお酒。度数は46度と、かなりきつめ!
住職さん「アチュアチュ」
ガンガン飲み続けるボクサー
ボクサー「アーッ!」
そして
ボクサー「私は男です!」
住職さん「ハッチュー」
ボクサー「私は男です!かならず成功します!」
こうして悩みを解き放たれたボクサー。しかし、そんなボクサーが、この後とんでもない大事件を巻き起こす事となる!
ボクサーの秘めた思いを感じて栄子の心境に変化が芽生える
ラブワゴンとりあえず、ラブワゴンへと戻ったボクサー。
さくら「何?何?酒臭いこの男」
さくらを放さないボクサー。
さくら「怖い!」
そして30分後。5人を乗せ、再び走り始めたラブワゴンの中で事件が起こった!
栄子「顔青くない?ヤバイ!目がほら、ボクサー!ボクサー!動いた!動いた!大丈夫?ちょっと支えて支えて。何してんの?」
ボクサー「まだ戦えるんだよ俺は。負けてねぇんだよ俺は。負けるなら死んでやる。負けてねぇー。やらせろ。ちくしょう」
栄子「ボクサー何してんの?」
ボクサー「やれるよ俺はまだ。まだ戦えるんだよ俺は。負ける位なら死んでやるよ。頼むから止めないで。俺戦わなきゃ死んじゃうよ。生きていけないからお願いだから。俺は負けたくないんだよ」
栄子「負けてないよボクサー、全然負けてないよ。ボクサーすごいよ。だったら頑張ろうよ。だったら水飲もう。ボクサー頑張ってるよ」
ボクサー「まだやれる」
栄子「分かった分かった。ハイ口開けてアーン。お水飲めるか?飲んでお水飲んで。いくよ」
必死にボクサーを介抱する
栄子「ボクサー私が分かる?」
ボクサー「マウスピース」
プロボクサーとしての夢を、追い続けたボクサー・・・。何より大切なその夢を諦めなければならなかった無念の思いが、ボクサーを苦しめていた・・・。
その夜。ホテルの部屋で、1人過ごす栄子。これまで、栄子は夢ばかり語るボクサーに、いつも辛辣に当たっていた。しかし
栄子“ボクサーの考えてるものってホントすごい、内に秘めてるものがあるんだなって・・・すごい純粋。男らしいと思います。男だなと・・”
この日、栄子の中で小さな変化が起き始めていた。
翌日。ラブワゴンの中でボクサーと栄子が隣同士に。これまで男前の栄子アニキにダメ出しされっ放しのボクサーは、昨日の粗相もあって、どことなく緊張気味。すると
栄子「アナタ私の事苦手でしょう?」
ボクサー「何で?」
栄子「最近、私を避けてるでしょう?」
ボクサー、ズボシ。
ボクサー「だってダメ出し喰らうの多いじゃん。触らぬ神にたたりなし。いい感じだね」
栄子「ちゃんと化粧したのは久しぶり」
え、化粧?栄子アニキといえば、車内でパンツを平気で干し、もちろん化粧っ気などまるでなかった男前。そのアニキが、ばっちり、フルメイク!ごらんの通り大変身!
ボクサー「いいねえ大人の女みたい。君が隣にいてくれるだけでそれで十分さ」
シマ「その笑顔だけで十分」
栄子「何かむかついてきた」
と言いつつ、ボクサー達に褒められ、笑顔を隠し切れない栄子。
その日の午後。クアラルンプールの公園へと繰り出した5人。すると
栄子「行こうか」
ボクサー「行きますか」
栄子とボクサーが2人きりに。
栄子「全快?」
ボクサー「昨日はご迷惑かけました」
栄子「ちっとも!何かね、昨日ホントゴメンって思った。ボクサーもボクサーで色々大変なんだなと。なのにキツイ事言っちゃってゴメンネ」
ボクサー「いやいや」
栄子「そうやって日に日にボクサー開拓してくとボクサーが面白いと思う、いいやつじゃんって思って。ちょっと嬉しかった今?」
ボクサー「ちょっとでも喜ぶとキモいって言われるから堪えてたんだけどね。何でもねいつも素直に喜ぶから」
栄子「そこがいい所」
その日のボクサーの日記には
ボクサー“酔っ払って引かれたと思ったが株が上がっていた。ようわからん”
ついに化粧をしたアニキ!そんな栄子を巡って次の国で激しい嵐が吹き荒れる事になる!